みなさんおはようございます。
この記事では日本語専任講師歴7年以上の経験から、N4文型「てはいけない」の使い方、導入例文、前件後件のルール、よくある間違いなど詳しく解説していきます。日本語学習者にはわかりやすく、日本語教育者には指導の参考になる記事を提供できるよう頑張りますので、是非最後までご覧ください。
目次
今日の文型 「てはいけない」
導入①
導入例①【駐輪場がないので、自転車で行ってはいけません。】
規則に書いてありますよ。
「会場は駐輪場がありませんので、徒歩でお越しください」
「自転車で行きます+禁止」=自転車で行ってはいけません。
導入例②【家電をゴミの置き場に捨ててはいけません。】
説明
「ゴミ置き場に捨ててはいけません」は法律です。
ですから「てはいけない」を使っています。
解説(日本語教師向け)
ここからは日本語教育者向けの解説をしていきます。
意味
~をすることを禁止する
接続
動詞テ形+はいけない
前件/後件のルール
・ルールA 無意志動詞は使えない
「~てはいけない」に接続する動詞は意志動詞だけです。無意志動詞には使えません。
無意志動詞:わかる、疲れる、始まる、晴れる、咲く、売れる…
ポイント
①規則・ルールで禁止されていることに使う
「てはいけない」は規則やルール、法律などで禁止されていることに使う文法です。そのため個人的な依頼やお願いには使うことができません。
たばこの臭いが苦手なので、ここでタバコを吸ってはいけません。
このビルは全面禁煙なので、ここでタバコを吸ってはいけません。
②会話表現は「ちゃいけない」ということがある
「てはいけない」を会話で使うときには、「ちゃいけない」「ちゃダメ」という表現を使うことがある。形は違いますが、意味も使い方も同じです。余裕があれば一緒に導入しておきましょう。
・寝坊したからって、何も言わずに休んじゃいけないよ。
・授業中に携帯電話でゲームしちゃだめです。
③個人に直接禁止を伝えるときには使わない
「てはいけない」はルールや規則の説明をするときに使う文法です。しかし、ルールや規則の説明でも、個人に直接禁止を伝えるときには使わないことが多いです。「てはいけない」は禁止の意思が強く入るので、相手を嫌な気分にしてしまうことがあるので注意してください。直接相手に禁止を伝えるときには「ないでください」や「お控えください」を使いましょう。
規則:お酒を持ち込んではいけません。
直接伝える①:お酒を持ち込まないでください。
直接伝える②:お酒の持ち込みはお控えください。
④強い表現なので、上下関係があるときにしか使わない
ポイント③でも説明しましたが、「てはいけない」は強い禁止表現です。そのため上下関係が明確で、上の立場の人が下の立場の人に言うときにしか使えません。1番よく耳にするのは大人が子どもに使う場面です。親が子供にや、先生が児童にといった場面で使われています。子供に向けて言うときは、言い方を優しくして強い印象を与えないようにしています。
使う場面:親から子ども、先生から学生、警察官や管理人など
学習者によくある間違い
・「てはいけない」と「なくてはいけない」の違い
学習者の中には「てはいけない」と「なくてはいけない」の違いを理解できていない人がいます。「なくてはいけない」は「なければならないと同じ使い方で、”~する必要がある”という意味で使います。「てはいけない」と反対の意味なので、間違って覚えていると大変なことになります。学習者がもし勘違いしていたり、違いを理解できていなかったりしたら訂正してあげましょう。
今日はノー残業デーなので、残業してはいけない。=禁止
今日は仕事が溜まっているので、残業しなくてはいけない。=~する必要がある
まとめ
・禁止事項を説明するときに使う
・規則やルールで決まっていることに使う
・個人的な依頼やお願いには使えない
・直接個人に禁止を伝えるときには使わない
・会話では形が変わる
以上「てはいけない」の解説でした。ここに書いてあること以外の疑問や質問はコメントをお願いします。最後までご覧いただきありがとうございました。











