こんにちは。日本語教師のタッチメンです。
日本語学校の専任教師として7年以上働いています。勤務先は県内でも有数の在籍者数を誇る日本語学校です。今まで延べ1000人以上の学習者に日本語を教えてきました。その間約100人の日本語教師のみなさんと一緒に働いてきました。
そんな日本語学校で経験したことをみなさんにお伝えしたいと思います。特に日本語教師を目指している人、日本語教育に興味がある人、新人の日本語教師のみなさんに日本語教育業界の現状を知ってもらいたいと思っています。
日本語業界のポジティブな部分はもちろん、ネガティブな部分を包み隠さず紹介していきます。一人でも多くの方に日本語教育業界に入りたいと思ってもらえるよう、頑張っていきますので、よろしくお願いします。
今回は【いると助かる非常勤講師の特徴】というテーマで話していきます。
今日は私が日本語学校の専任教員をしていて、担当しているレベルやクラスにいてくれるととても助かる、そして嬉しい非常勤講師の特徴を紹介します。
日本語教育業界は非常勤講師が多い業界です。日本語学校で働くには、他の非常勤講師と違う特徴が必要になってきます。どんな特徴がある人が日本語学校や専任教員から重宝されるのか紹介していこうと思います。
日本語学校で多くの授業を担当したり、給料を良くしたりすることにも繫がっていくので、これから日本語学校で働こうと思っている人や、日本語学校での経験が浅い先生には参考にしてもらえたら思います。
是非最後までご覧ください。
目次
いると助かる非常勤講師
日本語学校では複数の先生で1つのクラスを担当します。曜日ごとに違う先生が授業を担当するので、1クラスに5人の先生がいます。
また日本語業界は非常勤で働く人が多いです。日本語学校も多くの非常勤講師に支えられています。そのため全て非常勤講師が担当しているクラスが作られることも珍しくありません。専任教員が授業に入っても週に1.2回のケースがほとんどなので、大半は非常勤講師が授業を担当することになります。そのため上手くクラス運営をするためには、いい非常勤講師の手助けが必要です。
私がレベル責任者としてクラス運営をしている中で、自分の担当レベルにいてくれるととても助かる非常勤講師の特徴をいくつか紹介します。
非常勤講師にとってレベル責任者から信頼され頼られることは働く上でとても重要です。現在非常勤で働いている方やこれから日本語教師になる方は是非最後までご覧ください。
文型語彙の導入が上手な先生
語学を勉強する上で最も大切なのが文型語彙の知識です。会話や読解、聴解も全て文型と語彙の組み合わせからできています。語学を上達するには多くの文型語彙を理解し使えるようになるのが、1番の近道です。
カリキュラムを作成していくときには文型と語彙の導入を中心に考えます。導入さえ上手くできていれば、その後の勉強はスムーズに進みます。そこで文型語彙の導入が上手な先生がいると、大事な項目もその先生に任せられるので、レベル責任者はとても助かります。
文型語彙の導入が上手な先生はレベル責任者同士で取り合いになります。日本語教師をしていくなら、まずは文型語彙の導入が上手になるよう努力しましょう。
JLPT・EJUの解説がわかりやすい先生
中級以上のクラスで重宝されるのは、JLPT・EJUの解説がわかりやすい先生です。
公的試験対策の授業は少し特殊な知識が必要です。例えば文型語彙では1つ1つの文型語彙の解説をするのではなく、その答えになる理由や他の選択肢がダメな理由を端的に説明しなければなりません。
また読解や聴解では問題傾向を把握して、答えに辿り着くまでのテクニックを教えなければいけません。そのためJLPT・EJUを勉強している人とそうじゃない人では授業の質が大きく変わってきます。
日本語学校の多くは進学を目的としています。進学のためにはJLPT・EJUの成績は必須です。その大切な授業を任せられる先生はレベル責任者にとってとても助かる存在です。
活動などの楽しい授業が好きな先生
初級クラスで助かるのが、活動や会話などの楽しい授業が好きな先生です。
初級クラスのカリキュラムでは文法語彙と会話こ比率が多くなっています。日本語レベルの問題でなかなか読解や公的試験対策ができないことが原因です。そのため他のレベルに比べて、会話練習を行う時間が圧倒的に多いです。
会話授業は盛り上がるととても楽しい雰囲気になります。しかし盛り上がらないとずっと微妙な空気で、お通夜みたいな雰囲気になります。この難しい会話授業を好きな先生は間違いなく会話授業が上手な先生です。ここを任せられるのはとても助かります。
また初級クラスでは会話練習の派生でいろいろなゲームやタスクなどを行う活動授業も多く取り入れられています。遊び要素の強い授業ですが、こちらも好きで楽しんで取り組んでくれる先生は重宝されます。
会話や活動授業を楽しみながら上手にできる先生は初級クラスではとても助かります。
クラス担任ができる先生
大規模な日本語学校では専任教員以外にも、進学指導や学生管理をできる先生を求めていることがあります。そんなときにクラス担任として学生管理と進学指導ができる先生はとても貴重な存在です。
クラス担任をする先生の多くは週に2日クラスに入っています。それだけでも日本語学校としては嬉しいのですが、さらに進学指導ができるというのは非常に助かります。
今まで担任経験がない先生でも、専任がサポートするので是非一度担任をやってみてください。担任が1人いるだけで専任教員の負担が大きく減ります。先生として経験も得られるので、おすすめします。
週に2日以上勤務している先生
どのレベルでもいてくれるととても助かるのが週に2日以上勤務している先生です。
非常勤講師が多い業界なので、週に1日しか勤務していない先生も少なくありません。そんな中で週に2日以上勤務してくれるのはとてもありがたいことです。
週2日以上勤務すると同じクラスに2回入ってもらうことができます。2回入ると当然学生との関係性が深くなります。学生の信頼度も高くなるので、授業の質が向上します。
また専任との情報共有も密に行えます。カリキュラムの意図や指導方針をよく理解してもらえるので、日本語学校としては専任教員と同じぐらいの信頼感が生まれます。専任教員への推薦のきっかけになることもあります。
日本語学校にとっても、専任教員にとっても、学生にとっても週2日以上勤務している先生は嬉しい存在です。
新人の非常勤講師にアドバイスしてくれる先生
専任教員が地味に嬉しいのが新人や新任の非常勤講師にアドバイスをしてくれる先生です。
授業内容や教案のアドバイスというよりは、もっと細かな部分のフォローをしてくれる先生は助かります。
例えば先生用の教材の場所や文房具の場所を教えてくれたり、採点や添削で困っているときにアドバイスをしてくれたり、学生の性格や得意不得意など共有してくれたり、と色々なところでフォローをしてくれる先生がいると、専任教員にとってはすごく助かります。
専任教員にとって非常勤講師のみなさんが仲良く協力してくれるのはとても嬉しいことです。非常勤講師の中には専任教員よりも経験や経歴のある先生がいることも多いです。専任教員のみんなもベテランの非常勤講師を頼りにして、相談したりアドバイスをもらったりしています。そういった先生達は新人の先生にもとても親切です。いつもいろいろとフォローしてくれています。そんな先生達がいる日本語学校はとても恵まれていると思います。
経験のある先生達には是非いろいろとフォローをしてあげてください。専任教員はとてもとても嬉しいです。
