みなさんおはようございます。
この記事では日本語専任講師歴7年以上の経験から、N4文型「~ので」の使い方、導入例文、前件後件のルール、よくある間違いなど詳しく解説していきます。日本語学習者にはわかりやすく、日本語教育者には指導の参考になる記事を提供できるよう頑張りますので、是非最後までご覧ください。
今日の文型 「~ので」
導入
使い方 他の人からの情報を伝える
・導入例①【暑いので、窓を開けてもいいですか。】
・導入例②【この問題がわからないので、教えてください。】
・説明①
ナ形容詞の現在形 ナ形容詞+な+ので
・説明②
解説(日本語教師向け)
ここからは日本語教育者向けの解説をしていきます。
意味
理由、根拠の説明
接続
動詞普通形+ので
イ形容詞普通形+ので
ナ形容詞普通形+ので (現在形のみ:なので)
名詞普通形+ので (現在形のみ:なので)
丁寧体+ので
前件/後件のルール
・ルールA 接続に「だろう」は使えない
「~ので」の接続は自由度が高く、いろんな文型との接続が可能です。しかしその中で「だろう」だけ接続することができません。類似文型の「から」は「だろう」と接続ができるので、その点で違いがあります。
明日は雨が降るだろうので、洗濯はやめておこう。
明日は雨が降るだろうから、洗濯はやめておこう。
・ルールB 後件に強い意志は使えない
「ので」は丁寧な表現として使われています。そのため強い意志を表す文型との相性がよくありません。そのため後件には強い意志を含む文型や表現を使うことができません。類似文型の「から」には制限がありません。
危ないので、触るな。
危ないから、触るな。
強い意志を含む表現:命令、禁止、べき…
・ルールC 文末に使えない
「ので」のルールでよく説明されているのが、文末に使えないというルールです。文章の文末が「のでです」や「のでだった」などで終わりません。わかりやすい簡単なルールなので、覚えておいてください。
日本人の会話ではたまに「~なので。」で終わることがあります。上記のルールではこの表現は間違いになります。会話で許容されているのは、「~なので、…」という本当は後ろに何か会話続きます。しかしそこはあえて言う必要がなかったり、察してほしいというときにこの「~なので。」という使い方になります。そのため、上記のルールの文末とは少し違う部分があるので、許容されていると考えられます。学習者には説明する必要はありませんが、日本人と会話する機会が多い学習者からは質問があるかもしれません。一応理解をしておいたほうがいいと思います。
ポイント
・丁寧な表現
「ので」は類似文型の「から」に比べて丁寧な表現として使われています。日常会話では丁寧な表現を使う場面のほうが多いです。特に外国人の方は友達と日本語で会話する場面よりも、初対面の人や先生、仕事関係の人など丁寧な表現が求められる場面のほうが圧倒的に多いです。そのため「ので」を使って会話をすることを意識付けしておきましょう。
・前件には客観的な理由や根拠
「~ので」は前件に理由や根拠を提示し、後件ではそれをもとに出た結果や意見、考えなどを伝える文型です。前件に提示する理由や根拠は、個人的な考えではなく客観性が必要です。「ので」は客観的な理由、「から」は個人的な理由という違いがあると覚えておきましょう。
・自身の主張を弱くする
「ので」は上記の丁寧な表現ということと、客観的な理由ということから自身の主張を弱くする効果があります。日本人の主張をあまりしないという国民性と相性が良く、日常会話では「から」よりも多く使われています。目上の人や初対面の人との会話には必要な文型なので、学習者が使えるように練習では場面設定などを工夫しましょう。
学習者によくある間違い
・接続の間違いが多い
「ので」は意味や使い方などはあまり難しくない文型なので、学習者の誤用はあまり多くありません。その中で最もよくある間違いは接続の間違いです。特に「から」と違う接続になる以下の3つは特に間違いが多いです。練習を多めにしておきましょう。
①名詞 名詞+な+ので
雨なので、平日なので、留学生なので、iPhoneなので…
②ナ形容詞 ナ形容詞+な+ので
暇なので、きれいなので、元気なので、有名なので、親切なので…
③丁寧体 ます+ので、ません+ので、です+ので
休みますので、わかりませんので、予定ですので…
まとめ
・前件に理由や根拠、後件に考えや結果
・「から」よりも丁寧な表現
・理由や根拠は客観性が必要
・文末には使えない (のでです×)
・後件に強い意志表現は使えない
以上「ので」の解説でした。
「ので」は「から」と基本的な使い方は同じです。初級レベルでは丁寧な言い換え表現だと理解できれば問題ありません。難しいのはいくつかの接続なので、そこは重点的に練習をしましょう。中級者以上の学習者には、いくつかの違いを説明できるようにしておきましょう。また、同時に逆説の「のに」を勉強することになるので、その比較もできるようにしておきましょう。
以上「ので」の解説でした。ここに書いてあること以外の疑問や質問はコメントをお願いします。最後までご覧いただきありがとうございました。











