みなさんおはようございます。
この記事では日本語専任講師歴7年以上の経験から、N4文型「なければならない」の使い方、導入例文、前件後件のルール、よくある間違いなど詳しく解説していきます。日本語学習者にはわかりやすく、日本語教育者には指導の参考になる記事を提供できるよう頑張りますので、是非最後までご覧ください。
目次
今日の文型 「なければならない」
導入①
導入例①【間違いがある人は、明日までに連絡しなければなりません。】
自分の名前や生年月日、写真が間違っていないか確認をしてください。
導入例②【今日はアルバイトがあるので、早く帰らなければなりません。】
今の会話でも「なければなりません」を使えますね。
説明
解説(日本語教師向け)
ここからは日本語教育者向けの解説をしていきます。
意味
~する必要がある
接続
動詞ナイ形+い+ければならない
イ形容詞くない+ければならない
ナ形容詞じゃない+ければならない
名詞じゃない+ければならない
前件/後件のルール
・ルールA 無意志動詞は使えない
「~てはいけない」に接続する動詞は意志動詞だけです。無意志動詞には使えません。
無意志動詞:わかる、疲れる、始まる、晴れる、咲く、売れる…
ポイント
①規則・ルールでする必要があることに使う
「なければならない」は”~する必要がある”というときに使います。中でも規則やルールで決まっている”する必要があること”に使います。個人的に決めていることや考えには使うことができません。
病気になったので、毎日薬を飲まなければなりません。
=病院で医者に決められたルール
健康のために、毎日お酒を飲まなければなりません。
=個人で決めたルールなので使えない
②ルールじゃなくても、社会的に当然であることには使える
ルール①で規則やルールに使うこと、そして個人的なことに使わないと説明しました。しかしルールでなくても社会的にみんなが当然だと思っていること(マナーなど)には使うことができます。また個人的なことでも、みんなが当然だと思うことには使えます。
・遅刻するときは、連絡しなければならないよ。
③「なければならない」と「なければいけない」の違い
「なければならない」には類似表現の「なければいけない」という文型があります。基本的にはどちらも”~する必要がある”というときに使います。しかし少しニュアンスの違いがあるので覚えておきましょう。
「なければならない」=硬い表現・社会的なこと・法律や規則に多い
「なければいけない」=話し言葉・個人的にする必要があること
・留学生は1年に1回ビザを更新しなければなりません。
・ビザが切れるので、明日ビザ更新に行かなければいけません。
④形の変化が多い
「なければならない」は類似表現がたくさんあります。ここで紹介する類似表現はすべて”~する必要がある”という意味で使います。基本的に使い方は同じですが、使う場面が限定されるものがあるので注意してください。
・なければならない
・なければいけない
・なくてはならない
・なくてはいけない
・ないといけない
・なきゃならない(会話表現)
・なきゃいけない(会話表現)
・なくちゃならない(会話表現)
・なくちゃいけない(会話表現)
・なきゃ(会話表現)
・なくちゃ(会話表現)
学習者によくある間違い
「なければなりませんか。」の返答
学習者のよくある間違いは、「なければなりませんか。」と質問されたときの返答です。肯定のときも否定のときも間違える人を見かけるので、会話形式の練習などを通じて説明しておきましょう。
肯定
=動詞の省略はできない
Aさん:明日までに送付しなければなりませんか。
Bさん:なければなりません。×
:送付しなければなりません。〇
否定:
~なくてもいいです=する必要がない(どちらでもいい)
~てはいけません=禁止
子ども:おかあさん、もう寝なきゃいけない。
お母さん:まだ寝なくてもいいわよ。
お母さん:まだ寝てはだめよ。
まとめ
・”~する必要がある”というときに使う
・規則やルールで決まっていることに使う
・社会的に当然だと思われることには使える(マナーなど)
・個人的な考えには使えない
・類似表現が複数ある
以上「なければならない」の解説でした。ここに書いてあること以外の疑問や質問はコメントをお願いします。最後までご覧いただきありがとうございました。











