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日本語教師の金銭事情 charls

みなさんこんにちは。日本語教師のcharlsです。

昨年からのコロナ禍によって、ずっと対面形式の授業をしていた日本語教師が、オンライン形式の授業に興味を持ったきっかけや、実際にやってみて感じたことを話して行こうと思います。また、自身の経験から日本語教師の働き方や教育方法、心構えなど日本語教育に関する自身の気づきを伝えていこうと思います。日本語教師として働いている人や、ボランティアで日本語を教えている人。そしてこれから日本語教師を目指そうと思っている人にとって、日本語教育を考えるきっかけになればと思います。

今日は【日本語教師の金銭事情】というテーマで、日本語教師の報酬がいくらぐらいなのかを具体的な数字を交えながら紹介していきます。これから日本語教師を目指す人や日本語教師に興味がある人には参考になる内容となっています。また、現役日本語教師の方にも自信の今の待遇の確認やさらなるステップアップや新しい働き方がわかるかもしれませんので、是非最後までご覧ください。

 

日本語教師の心構え

Yahoo検索で「日本語教師」と検索すると「やめたほうがいい」という言葉が出てきます。
これは私が日本語教師を志す時にも出てきた言葉ですが、今になっても変わらず姿を現します。何を以て「やめたほうがいい」かは分かりませんが、もし金銭面のことであれば、あながち間違っていないかもしれません。
日本語教師の登竜門である「日本語学校」勤務であればどうなのか、という話から様々な分野において、自身の体験談を参考にしてもらえればいいと思いますが、そもそも大前提として、日本語教師の仕事は金銭面で選ぶような職種ではないということ。
そして、金銭面よりも「やりがい」の部分で仕事をしている人が多いということを念頭において話を進めていきます。

 

日本語学校の現実

では、まず日本語学校の組織から説明すると、下から非常勤講師、常勤講師/専任講師、教務主任、校長といった構図です。
非常勤講師は月給でなく時給(コマ給)なので、アルバイトのような契約となります。コマというのは授業単位のことで、1つの授業枠45分や60分などに対する単位のことです。この1つの授業が4回セット(4コマ)で、午前授業や午後授業という1回の授業が成立します。コマ給は地域や学校によって様々ですが、1,500~2,000円が目安だと思います。そして、どの学校においても授業1回4コマからの契約で、その回数に応じて対価が支払われます。
時給として、この金額が妥当かどうかは個々の考え方があると思いますが、この金額は単なる授業料であり、この時間を超える残業代や教材費、授業準備にかかる時間手当などは一切含まれないと思っていてください。
日本語教師を始めてすぐの場合は、教材費や残業代が出ないことに納得いかず、仕事をやめてしまう方も少なくないのが現状ですが、この辺りはボランティア精神がないと、この仕事は正直続けられません。
私も日本語教師として仕事を始めたばかりの頃は、週に1-2回くらいしか勤務できないことが多いので、別のアルバイトをしながら非常勤講師を続けていました。仕事がある程度慣れてくると、別の日本語学校と掛け持ちしていたこともありました。
また、常勤講師/専任講師になると時給から月給に変わり、一般企業の月給並の給料が得られます。そして、教務主任は専任講師の給料に加え主任手当がつきます。
ただ、一般企業の給料と比べると年々ベースアップする制度もなければボーナスもない学校もあるので、金銭面においては一般企業と比べて安価なのは否めません。

 

日本語教師の働き先

日本語学校以外の働き口としては、海外やボランティア以外に、国内ではオンライン講師や地域・自治体などへの講演やセミナー講師、そして企業講師や学校教育関連の講師など、様々な分野があります。
日本語教師自体、安定した収入を期待できるかどうか分からない仕事ですが、個人事業主であることから本業以外にも副業として様々な種類の仕事ができます。
それらの経験が功を奏してフリーランスになったり、安定した収入が得られるようになったりするわけですが、何よりもまず意欲や興味といったものがないとあらゆる分野に挑戦できないでしょうし、積極的に色々な方々と交流したり情報や知識などを日頃から意識して貯めておく必要もあると思います。
日本語というツールを使って至る所で働ける可能性が大いにある状況に後ろ向きになってしまうと、何も始まらないし何も生まれないわけです。
いっそ日本語学校で細々と仕事を続ける人も少なくない世界なので、結局は自分がどの分野で専門性を発揮して仕事を続けたいか、だと思います。
では、それぞれの分野の金銭面ですが、最近ニーズが多くなったオンライン講師は、一般的に凡そ60分で500~2,000円くらいと単価は幅広く、オンラインならではの授業形態や指導法に関してのノウハウやスキルが習得できます。
地域・自治体関連の講演やセミナー1回2-3万円くらいからの単価からスタートしますが、継続を見込んだ仕事がすぐに得られるわけではありません。しかも、自分自身を宣伝広告するために営業活動したり、人伝に依頼したりと、仕事獲得がスムーズにいかない場合が多いです。
その他、企業での講師となれば働き方は様々で、日本語授業以外にも、書類の日本語翻訳や留学生への生活指導、日本人従業員への外国人受入指導など、働き方がいくつも存在します。月給として雇ってくれるかどうかは企業によりますが、日給や時給、歩合といった可能性もあります。
また、学校教育関連での仕事となれば、大学や専門学校などで留学生相手に日本語指導という働き方がありますが、日本語学校に比べて比較的単価が高いので割と人気ではありますが、非常勤勤務の場合が多く、月給ではなく時給(コマ給)扱いなので、安定した収入は難しいと思います。

 

「日本語教師」一択の想い

このように、様々な働き方を大まかに紹介しましたが、前述の通り、安定した収入という意味では期待が見込めないのが現状です。しかし、金銭面以外に魅力を感じて現在も尚、仕事を続けている日本語教師は、私を含め日本国内にたくさんいます。
日本語教師という仕事のどういった所にやり甲斐を感じているかは個々によって多少の違いはあれど、共通しているのは、単に日本語の専門性を指導したいということではなく、外国人とコミュニケーションをとりながら、教師である自分自身が大きく成長できるといった所に尽きると思っています。
日本国内にいながらも、日々外国人と触れ合いながら日本語指導をする中で、授業でしか得られない発見や刺激や思いがけなさが転がっています。教師として日本語を教えていることと、学生から学び得られるものとを天秤にかけても、正直学生から得られるものの方が多い気がしてなりません。
これらは全て日本語教師を体験した人にしか理解できないことなので具体的に説明するのが難しいですが、その魅力は私にとって他のどんな仕事にも及ばない貴重で格別な仕事でしかないのです。

 

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