わかりやすい日本語教育
エッセイ

日本語教育エッセイ 日本語専任教員の1日(午前授業日)

こんにちは。日本語教師のタッチメンです。

日本語学校の専任教師として7年以上働いています。勤務先は県内でも有数の在籍者数を誇る日本語学校です。今まで延べ1000人以上の学習者に日本語を教えてきました。その間約100人の日本語教師のみなさんと一緒に働いてきました。

そんな日本語学校で経験したことをみなさんにお伝えしたいと思います。特に日本語教師を目指している人、日本語教育に興味がある人、新人の日本語教師のみなさんに日本語教育業界の現状を知ってもらいたいと思っています。

日本語業界のポジティブな部分はもちろん、ネガティブな部分を包み隠さず紹介していきます。一人でも多くの方に日本語教育業界に入りたいと思ってもらえるよう、頑張っていきますので、よろしくお願いします。

 

今回は【日本語専任教員の1日の過ごし方】というテーマで話していきます。

みなさん日本語学校で専任教員が何をしているかご存じですか。そういえば授業をしているのは想像できるけど、他の時間は何をしているのだろうと思っているのではないでしょうか。今回は専任教員が日本語学校でどんな1日を過ごしているのかを紹介します。

まずは授業がある日の1日の過ごし方です。

授業の前、授業の後どんなことをしているのか詳しく紹介します。

日本語教師を目指している人や日本語教育に興味がある人はこの記事を見て、日本語教師の楽しさを知ってもらえたらと思います。

是非最後までご覧ください。

 

 

8:30 出社

私の日本語学校では9時から午前授業が始まるため、職員は8時30分に出勤します。

出勤するとまず授業で使う資料の最終確認を行います。基本的には前日までに資料の準備が終わっていますが、たまに間違いや準備忘れがあるので、必ず出勤後すぐに資料の最終確認を行います。

資料の確認が終わったら、前日からの引き継ぎ資料を確認します。ここではテストや宿題などの返却物の有無、そして返却物にフィードバック(解説)が必要かどうかを確認します。フィードバックは基本前日担当した先生が解説內容を書いてくれているので、その內容を見て学生に解説します。フィードバックがあるかないかで授業での時間の使い方が変わるので、朝一に確認しておきましょう。

 

 

8:45 朝礼

資料の確認と返却物の確認をしていると朝礼の時間になります。朝礼では学校から学生や先生への連絡事項が伝えられます。学生への連絡事項は授業中に先生から学生に伝えます。朝礼は連絡事項の簡単な伝達なのですぐに終わります。

朝礼後はレベル統括者や担任から担当クラスに関する伝達があります。この時は学生のことやカリキュラムのことなど、特に伝えておきたいことを非常勤の先生に伝えます。

 

8:55 教室へ移動

連絡事項の伝達が終わると、教室へ移動します。

教室に著いたら学生と談笑したり、1コマ目の板書をしたり、授業內容を見直したりと有意義に時間を使います。

最近ではオンラインに対応している日本語学校も多いので、この時間にzoomの準備を行うこともあります。

 

9:00 授業開始

9:00になるといよいよ授業開始です。

日本語学校の授業は1回45分以上と決められています。また1週間の授業時間は20コマ以上という規定もあるため、多くの学校では1日45分×4コマが基本となっています。そして、1コマごとに10分の休憩時間が設けられてられいます。

日本語教師は1日4コマを担当することがほとんどです。学校によっては異なりますが、基本的には1日4コマを同じクラスで授業します。決められているカリキュラム內容を4コマに區切って1日で終わらせます。休憩時間も合わせて、3時間半教室で過ごすことになります。

授業での時間の使い方はまた別の記事で紹介する予定です。

 

 

12:30 授業終了

4コマの授業が終わると簡単に教室の清掃を行います。白板を綺麗にしたり、椅子を机の中に入れたり、ゴミを拾ったりと学生がきちんとできていないところを先生が行います。

この時間に学生が授業のわからない部分の質問に来ることがあります。あまり長くならない時間で対応してあげます。学生がわからない部分は自分の説明が不十分なところなので、次回の授業に活かせるようにメモしておきましょう。

 

 

12:40 学生面談・進学指導

教室の清掃が終わると次は学生面談と進学指導の時間です。4月〜9月の前期は学生面談、10月〜3月の後期は進学指導がメインとなります。

基本的には事前予約制で、学生に都合の良い時間を見つけて予約させます。学生面談は1時間で2〜3人。進学指導は1人1時間〜2時間程度の時間が必要です。

この時間はとても大切ですが、授業担当日にここに時間を使いすぎると殘業が発生してしまいます。出願締め切りや入試日直前は避けられないですが、普段の授業担当日はできるだけ時間の管理をして残業が発生しないようにしなければなりません。上手く授業がない日を使って、スケジュール管理をしましょう。

 

 

13:30 お昼休憩

授業が終わり、面談や進学指導が終わると昼休憩です。休憩時間は1時間です。

日本語学校は休憩時間が固定されていません。自分の業務内容に合わせて、好きなタイミングで休憩を取ることができます。

 

 

14:30 授業後処理

昼休憩後は授業の後処理を行います。

授業の後処理は小テストの採点、宿題・授業内タスクの添削、翌日フィードバック内容の作成、出席入力、欠席者のプリント準備など意外と多いです。またカリキュラムによって作業量も変わります。

優秀な学生が多いと小テストの採点はすぐに終わりますが、宿題の添削は数が多いので時間がかかります。反対に不真面目な学生が多いと宿題は提出数が少ないので早く終わりますが、小テストはフィードバックの作成に時間がかかります。

作業量にもよりますが、通常は1時間程度ですべての作業が終わります。

 

 

15:30 授業報告書作成

授業後最後の作業が授業報告書の作成です。

授業報告書には当日のカリキュラムの進捗、学生の理解度、学生の様子、翌日のフィードバックの有無、積み残しなどの引継ぎを書きます。

日本語学校では曜日ごとに先生が決まっています。次の日の担当の先生の参考になるように授業報告書を作成します。

 

 

16:00 翌日の授業準備・専任業務

授業報告書が完成し授業に関する作業がすべて終わると、残りの時間は専任教員としての作業時間です。

この時間にテストや宿題の作成、進学に関する調べ物や準備、カリキュラムの作成や修正、成績入力や出席率の管理など主に事務的な作業を行います。

また次の日に授業がある場合は、次の授業準備を行います。専任教員はある程度経験があり、0から授業準備をすることとはあまりありませんが、前回使った資料の見直しや初めて教える内容の勉強を残りの時間で行います。連日の授業となると経験のある専任教員でも準備に追われることも珍しくありません。

 

 

17:30 退社

17:30になると勤務終了です。

朝の出勤時間が早めなので、退社後は少し趣味や家事に時間を割くことができます。

繫忙期には残業することもありますが、慣れてくると定時で退社することも難しくありません。

 

 

 

以上日本語専任講師の授業がある日の1日の過ごし方を紹介しました。

日本語教師は勤務時間が長く残業しなければいけないとか、授業準備は勤務時間外にしないといけないとかネガティブな情報も目にしますが、私は勤務時間内に授業準備をして定時に退社することが普通です。退社時間が早いので、平日の夜に趣味のスポーツや音楽を楽しんでいます。

日本語学校ごとに違いはあると思いますが、私の日本語学校ではみんな同じような時間の過ごし方をしています。これから日本語教師を目指す人や専任教員になりたいと思っている人は是非参考にしてください。

次回は日本語専任講師の授業がない日の1日の過ごし方を紹介します。

 

ABOUT ME
タッチメン
日本語学校の専任講師として7年以上勤務をしていて、経験した留学生の疑問や先生の悩みを解決していきます。

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