みなさんおはようございます。
この記事では日本語専任講師歴7年以上の経験から、N4文型「そうです(伝聞)」の使い方、導入例文、前件後件のルール、よくある間違いなど詳しく解説していきます。日本語学習者にはわかりやすく、日本語教育者には指導の参考になる記事を提供できるよう頑張りますので、是非最後までご覧ください。
今日の文型 「そうです(伝聞)」
導入
使い方 他の人からの情報を伝える
・導入例①【映画は来週から始まるそうです。】
・導入例②【駅前のスーパーは野菜が安いそうですよ。】
・説明
解説(日本語教師向け)
ここからは日本語教育者向けの解説をしていきます。
意味
他人から得た情報を、人に伝える(伝聞)
接続
V普通形+そうです
イ形容詞普通形+そうです
ナ形容詞普通形+そうです
名詞普通形+そうです
前件/後件のルール
・ルールA 「そうです」の形は変わらない
「そうです」は基本的に「そうです・そうだ」の形でしか使いません。「そうでした」や「そうじゃない」などの変化はしないので注意しましょう。
そうです そうだ
そうでした そうじゃない そうだろう…
・ルールB 普通形にできない動詞は使えない
「そうです」に接続する品詞は、動詞・形容詞・名詞の普通形です。動詞にはいくつか種類がありますが、普通形にできない動詞は使うことができません。
使える動詞:可能形、受け身形、使役形、使役受け身
使えない動詞:意向形、命令形、禁止形
ポイント
・天気予報を使って導入することが多い
「そうです」の導入でよく使われるのが、天気予報を見てその情報を伝えるという導入文です。場面設定も簡単で、使う語彙も初級向けなので初めての導入では天気予報を使うことをおすすめします。しかしそれだけだとなかなか学習者が使えるようにならないので、日常会話や身近なことを使った例文も提示してあげましょう。
・情報源を言うときに「~によると」をよく使う
「そうです」の文を作るときに、その情報源を説明することが多いです。その時によく使われるのが「~によると」です。しかし「~によると」はN3文型のため、初級者には別に導入が必要になります。学習者のレベルに合わせて、導入するか使わない文で説明をするか判断してください。時間に余裕があるのなら、導入することをおすすめします。導入することで、いろんな場面設定ができ、作れる文が増えるので、できれば導入することをおすすめします。
・様態の「そうです」との違いを理解しておく
「そうです」は伝聞と様態の2種類があります。”みんなの日本語”では、様態を先に勉強することになります。教材によってどちらが先か違いますが、必ずどちらの使い方も理解しておきましょう。
また、この2種類で学習者からよくある質問は以下の違いです。
・今日の夜は雨が降るそうです。(伝聞)
・今日の夜は雨が降りそうです。(様態)
この場合、伝聞ではただ聞いた話で自分の考えは入っていません。反対に様態では見て自分の経験から雨が降る可能性が高いという判断になります。この自分の考えがあるかないかが大きな違いです。最低限この違いの説明ができるようにしておきましょう。
学習者によくある間違い
・接続の間違いが多い
「そうです」の学習者のよくある間違いは接続の間違いです。接続を間違える原因は主に2つです。
1つ目が「普通形」が定着していないです。今まで多くの学習者がいましたが、「普通形」の定着は全体的によくありません。「普通形」の中でも「ナ形容詞と名詞」は特に定着率が低いと感じます。「そうです」の練習でも、「ナ形容詞と名詞」は間違いが多いです。「普通形」が定着できるように復習を入れましょう。
2つ目は様態の接続と混同してしまうことです。伝聞と様態の接続の違いは、動詞とイ形容詞にあります。様態の接続は動詞が「Vマス形」、イ形容詞は「イ形容詞イ」です。動詞とイ形容詞を間違えているときは様態との混同なので、違いを確認しましょう。
まとめ
・聞いた情報を他の人に伝えるときに使う
・場面設定は複数提示する
・様態との違いを確認しておく
・「によると」も合わせて導入する
以上「そうです(伝聞)」の解説でした。
「そうです(伝聞)」は使い方の説明はそれほど難しくありません。学習者が使えるようになることをポイントにして、使う場面や会話の内容を多く準備しておきましょう。あとは様態と伝聞の違いは必ず質問があると思って準備をしておきましょう。意味の違い、使い方の違いを理解してもらえるように、まずは教師側がしっかり理解しておきましょう。
以上「そうです(伝聞)」の解説でした。ここに書いてあること以外の疑問や質問はコメントをお願いします。最後までご覧いただきありがとうございました。









