わかりやすい日本語教育
エッセイ

日本語教育エッセイ 日本語学校のイベント②

こんにちは。日本語教師のタッチメンです。

日本語学校の専任教師として7年以上働いています。勤務先は県内でも有数の在籍者数を誇る日本語学校です。今まで延べ1000人以上の学習者に日本語を教えてきました。その間約100人の日本語教師のみなさんと一緒に働いてきました。

そんな日本語学校で経験したことをみなさんにお伝えしたいと思います。特に日本語教師を目指している人、日本語教育に興味がある人、新人の日本語教師のみなさんに日本語教育業界の現状を知ってもらいたいと思っています。

日本語業界のポジティブな部分はもちろん、ネガティブな部分を包み隠さず紹介していきます。一人でも多くの方に日本語教育業界に入りたいと思ってもらえるよう、頑張っていきますので、よろしくお願いします。

今回は【日本語教育エッセイ 日本語学校のイベント】というテーマで話していきます。

日本語学校では1年間に数多くのイベントを実施しています。日本の高校にもある定番のイベントから、日本語学校特有のもの、そして各日本語学校独自のものとさまざまなイベントを実施しています。

もちろんイベントは学生のために実施しているのですが、一緒に参加する先生も楽しめることがたくさんあります。先生も学生に戻った気分で参加できるものもあります。

全3回にわたり日本語学校で行われているイベントを紹介します。日本語教師を目指している人や日本語教育に興味がある人はこの記事を見て、日本語教師の楽しさを知ってもらえたらと思います。

是非最後までご覧ください。

 

 

授業で行うイベント

今日は日本語学校のイベントの中でも、授業で行うイベントを紹介します。

授業で行うイベントはレベルやクラス単位で実施します。初めからカリキュラムに組み込まれていて、準備からイベントの実施まで一連の流れで行われます。

準備ではそのイベントの成立ちや文化、そしてよく使われる言葉を勉強します。授業で行うイベントは学校全体で行うイベントよりも勉強に比重を置いています。楽しく日本語を勉強する。そして日本文化にも触れるというのが目的です。

授業で行うイベントは学生のレベルに合わせて内容が変わります。初級レベルでは教室内で行える簡単なイベントが多くなります。中級レベルになると日本人と会話ができるようになるので、外でのイベントが増えてきます。そして上級レベルでは日本語の勉強だけでなく、他の分野の勉強もできるイベントを実施することができます。

授業で行うイベントは授業のマンネリ化を防ぐ大切な授業です。学生にとってのモチベーションの1つになります。そんな授業で行うイベントをいくつか紹介します。

 

七夕

まず最初に紹介する授業で行うイベントは「七夕」です。

七夕では起源となっている七夕物語について学びます。そして短冊に願いを書き、笹竹に飾ります。この時期になると学校の目立つところに笹竹が置いてあり、みんなの願い事が書かれた5色の短冊が飾られていてとても華やかになります。短冊の願い事にも個性があるので、読むのも楽しいです。

また七夕ではこの時にぴったりな文型を習うことができます。短冊に願い事を書くときに使う「〜Vますように」という文型です。この文型を使うのはこの七夕と神社でお願いをするときです。「〜Vますように」を使って自分のお願いこどを短冊に書く練習をします。普段あまり使わない文型ですが、この機会に導入しましょう。

 

節分

2月には授業で節分を取り上げます。節分は日本だけの文化です。海外ではあまり有名ではない文化なので、授業で勉強をかねてイベントを行います。節分では主に豆まきと恵方巻きについて学びます。

豆まきではどうして豆をまくのかや豆まきのときの掛け声を勉強して、実際に豆まきを行います。はじめて節分を体験する学生の多い初級クラスでは、授業がない先生や事務職員が鬼のお面をかぶって豆まきを行うこともあります。最後はみんなで豆を食べてその日の授業を終了することが多いです。

恵方巻きは丸かぶりについて勉強します。多くの学生はコンビニやスーパー、飲食店でアルバイトをしていて、恵方巻きを食べることを知ってます。しかしどうして食べるのかどうやって食べるのかを知らない学生が多いので勉強します。恵方巻きは方角の勉強に適しています。初級では導入、中上級では復習をかねて方角の勉強をします。

 

初詣

私の学校では1月の初めの授業ではクラス全体で初詣に行きます。

みんなで新年の挨拶をした後、初詣のやり方について勉強します。手や口の清め方、賽銭の入れ方や金額の意味、二礼二拍手一礼の作法など、初詣の一連の流れとその作法の持つ意味を勉強します。

そして勉強をした後は実際に近くの神社へ行って初詣を体験します。学生の中には初めて神社に行く人もいるので、みんな写真を撮ったりして楽しみます。一連の流れで初詣を終えるとそのまま現地解散をしています。時間のある学生は出店を楽しんでから帰っています。

初詣は外に出るイベントなので、学生たちにも人気のイベントです。

書初め

私の学校では新年には初詣と合わせて書初めも行います。

書初めは授業で行うイベントの中では簡単にできます。初めて行うときは筆・硯・墨・紙・下敷を準備しなければならないので、予算も含め少し大変ですが、一度準備してしまえば次の年から簡単に行うことができます。

書初めでは学生の今年の目標を書いてもらうようにしています。そして書いた紙を見せて目標を発表してもらいます。

日本文化を体験しながら、目標を決めることができる一石二鳥のイベントです。

 

交流授業

交流授業は中上級クラスの授業で行うイベントです。日本人の大学生や専門学校生を授業に招いて交流をします。

大学や専門学校の中には国際交流を目的にしているサークルがあります。卒業生や大学や専門学校の営業の方を通してサークルの方を紹介してもらっています。中にはオープンキャンパスに参加したことがきっかけになることもあります。

交流授業では日本と海外の違いについて発表をしたり、上級レベルではディベートを行ったりします。全体での発表を聞く時間とグループで話し合う時間を作って、文化と日本語に触れる機会を増やしています。

日本語学校の学生にとっては日本語の会話練習や日本の大学事情を知ることができます。大学生にとっては目的の国際交流のきっかけになっています。イベントをきっかけに友達になり、普段から遊んでいる人もいます。交流授業は双方にとってメリットの大きいイベントです。

 

社会科見学

上級レベルでは授業で社会科見学を行うことがあります。近くの科学館や博物館、資料館などに行きます。

私の日本語がある地域では、留学生にいろんな施設が無料で行けるチケットのようなものがもらえます。そのため交通費のみで実施できるので、時間があるときに社会科見学を行っています。

施設にもよりますが、日本の歴史や文化に触れることができるので、学生からはポジティブな感想が多いイベントです。

 

 

以上授業で行うイベントでした。
次回は学生主体のイベントを紹介します。

ABOUT ME
タッチメン
日本語学校の専任講師として7年以上勤務をしていて、経験した留学生の疑問や先生の悩みを解決していきます。

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