みなさんおはようございます。
この記事では日本語専任講師歴7年以上の経験から、N4文型「~とか」の使い方、導入例文、前件後件のルール、よくある間違いなど詳しく解説していきます。日本語学習者にはわかりやすく、日本語教育者には指導の参考になる記事を提供できるよう頑張りますので、是非最後までご覧ください。
今日の文型 「~とか」
導入
使い方 自分の決めたことや計画を他の人に言う
・導入例①【カバンにはスマホとか、家の鍵とかが入っています。】
・導入例②【休みの日は本を読むとか、テレビを見るとかしています。】
・導入例③【彼はいつもねむいとか、しんどいとか言って勉強しない。】
・説明
解説(日本語教師向け)
ここからは日本語教育者向けの解説をしていきます。
意味
・複数の例を言うときに使う(並列)
接続
V普通形+とか
イA普通形+とか
ナA普通形+とか
N普通形+とか
前件/後件のルール
・ルールA 話し言葉なので目上の人には使わない
「~とか」は話し言葉で使う文型で、少しカジュアルな印象があります。そのため目上の人との会話では、少し失礼な印象を与えてしまいます。人によっては不快な思いをすることがあるので、友達や家族など、仲のいい距離感の近い人との会話だけで使いましょう。
また固い言葉が必要な場面にも適さない文型です。例えば、社則や学則などの規則や規定が書かれた資料、社外向けへのお知らせ、大勢の人に向けたスピーチなどです。学習者は、使えない場面を覚えるのが大変だと思うので、仲のいい人の会話に使うという説明がわかりやすいと思います。
ポイント
・導入
①「~や~など」、「~たり~たり」を使って導入する
N4文型の「~とか」を勉強するときは、「~や~など」、「~たり~たり」は既習文型になっていることが普通です。そのため既習文型の復習から始めて、「~とか」を使って言うことができると説明するのが、簡単で時間もかからない導入の流れです。
②「~や~など」、「~たり~たり」の違いは簡単に説明する
「~や~など」、「~たり~たり」を使って導入すると、学習者から違いはあるのかという質問が出てきます。そんな時は「~や~など」は名詞だけ。「~たり~たり」は動詞だけ(形容詞も使えるが未習のことが多い)。「~とか」は名詞・動詞・形容詞すべて使えるという説明しましょう。
類似文型との比較
| とか | 名詞・動詞・形容詞 |
| ~や、~など | 名詞 |
| ~たり、~たり | 動詞(形容詞) |
・反対の意味の言葉を並べることができる
「~とか」は並列で2つ以上の言葉を例に出すときに使います。基本的に並列ではプラスのことではプラスのことだけ、マイナスのことではマイナスのことだけを言います。しかし、「とか」はプラスとマイナスを同時に使うことができいるのが特徴です。
例1:
学生はクーラーが効いて寒いとか、クーラーが弱いから暑いとか言うので、教室の温度調節は難しい。
例2:
マイクさんはイベントに参加するとか、参加しないとか意見がコロコロ変わる。
・1つだけでも使うことができる
「~とか」は基本的に並列で複数の例を出すときに使いますが、例を1つしか出さないときにも使うことができます。
例1:夏休みには旅行とかしてみたいな。
例2:今から勉強するなら、中国語とかいいんじゃない。
上記の文では、例を出していること以外にも選択肢があることがわかるので、1つしか例を出していませんが並列であることがわかります。
学習者によくある間違い
・まったく関係のないもの例に出す
「~とか」は並列の文型です。学習者の中には使い方を勘違いして、まったく関係のないものを並べて使うことがあります。
私はカレーライスとか、テニスとかが好きです。
上記のように好きなものを言おうとして、ジャンルの全然違うものを2つ例に出すことがあります。学習者には同じジャンルから例示するように説明しましょう。
まとめ
・2つ以上の例示に使う
・他の例示文型に比べて自由度が高い
・会話表現なので目上の人には使えない
・反対の意味の言葉にも使える
以上「~とか」の解説でした。
「~とか」は日常生活でよく使う表現ですが、以外にも”みんなの日本語”では勉強をしません。使い方の自由度も高く、簡単に覚えられる文型ですので、中級レベルに入る前に教えておくべき文型だと思います。中級以降の文型解説にも便利な文型なので、ぜひ早めに教えることをおすすめします。
ここに書いてあること以外の疑問や質問はコメントをお願いします。最後までご覧いただきありがとうございました。










