みなさんおはようございます。
この記事では日本語専任講師歴7年以上の経験から、N4文型「~にする」の使い方、導入例文、前件後件のルール、よくある間違いなど詳しく解説していきます。日本語学習者にはわかりやすく、日本語教育者には指導の参考になる記事を提供できるよう頑張りますので、是非最後までご覧ください。
今日の文型 「~にする」
導入
使い方 目的Aをしたいから、Bをする
・導入例①【私はカレーライスにします。】


・導入例②【プレゼントはケーキにします。】
誕生日プレゼントをあげたいです。何がいいですか。


・説明
解説(日本語教師向け)
ここからは日本語教育者向けの解説をしていきます。
意味
話し手が選択肢の中から選んだり、決めたりするときに使う
接続
N+に+する
前件/後件のルール
・ルールA 基本的には2人称、3人称の決定に使えない
「~にする」は話し手が選択肢の中から何かを決めるときに使う文法です。そのため、自分以外の他者の決定には使うことができません。
私はカレーライスにします。
彼はカレーライスにします。
前件が2人称の場合、意見やアドバイスなどの表現と一緒だと使うことができます。
あなたはAクラスにしたほうがいいよ。
君は経済学部にするべきだよ。
前件が3人称の場合、伝聞や推量表現と一緒だと使うことができます。
彼はハンバーグにするそうです。
田中さんは赤いドレスにすると思います。
・ルールB 後件はいろいろな文型を使うことができる
「~にする」は後件にいろいろな文型を使って、文章を作ることができます。ルールAにもありましたが、推量・伝聞・意見・問いかけ・未来の予定などなど様々な表現ができます。そのため「にする」は後件の文型接続に合わせて「する」の形が変化します。
・今夜は外食にしませんか。
・今日は遅くまで頑張ったので、明日は休みにしましょう。
・誕生日プレゼントは時計にするつもりです。
ポイント
・導入
①メニューを選ぶやプレゼントを決めるを使うと簡単
「~にする」の導入はなにかを選ぶ状況という場面設定ができれば、説明は難しくありません。初級レベルの学習者が日常生活で想像しやすい場面ということで考えると、レストランやファストフード店などで食べるものを決める場面や、友達や家族に何かプレゼントを買う場面がわかりやすいです。どちらを使って導入するか、それか他のもっといい場面設定(買い物や料理など)をするかは、学習者の普段の生活から考えてみましょう。
・「AをBに変える」という使い方がある
「~にする」には違う使い方があります。それは「AをBに変える」という使い方です。
・このひらがなを漢字にしてください。 (ひらがなを漢字に変える)
・イ形容詞のイをクにします。 (高いを高くに変える)
・ドルを日本円にします。 (ドルを円に両替する)
これは先生がよく使う表現です。よく勉強している学習者は使い方が違うと気づくかもしれません。また、”みんなの日本語”では44課で2つとも勉強します。そのため、学習者が迷わないように説明を準備しておきましょう。
学習者によくある間違い
・「ナ形容詞+に+する」と混同する
同じ「にする」の形で「ナ形容詞+に+する」という文型があります。”みんなの日本語”では44課で2つを続けて導入します。そのため、学習者の中には混同してしまうことがあります。学習者が間違ったときは、接続している言葉の品詞を確認することで違いを理解できるようにしましょう。
まとめ
・話し手が選ぶときや決めるとき使う
・基本的に前件は1人称
・前件が2人称、3人称の時は後件にルールあり
・変化の「にする」との間違いに注意
以上「~にする」の解説でした。
「~にする」は簡単に使える文型です。導入もそれほど難しくないので、あまり時間をかけずに導入、解説をすることをおすすめします。練習では日常生活で使えるように、既習の言葉を使って会話を作る練習がいいと思います。なかなかしっかりと時間を使うことができない文型ですが、よく使う文型なので学習者のためにも短くても濃い解説や練習を心がけましょう。
ここに書いてあること以外の疑問や質問はコメントをお願いします。最後までご覧いただきありがとうございました。










