わかりやすい日本語教育
タッチメン

N4文型 「~たことがある」

みなさんおはようございます。

この記事では日本語専任講師歴7年以上の経験から、N4文型「たことがある」の使い方、導入例文、前件後件のルール、よくある間違いなど詳しく解説していきます。日本語学習者にはわかりやすく、日本語教育者には指導の参考になる記事を提供できるよう頑張りますので、是非最後までご覧ください。

今日の文型 「~たことがある」

アリスさん
アリスさん
先生 今日は何を勉強しますか。
タッチメン
タッチメン
アリスさん 今日は「~たことがあります」を勉強します。

導入

タッチメン
タッチメン
それでは「~たことがある」をしっかり勉強しましょう。

 

使い方 目的Aをしたいから、Bをする

・導入例①【私は東京へ行ったことがあります。】

タッチメン
タッチメン
アリスさんは旅行がすきですよね。
アリスさん
アリスさん
はい。大好きです。
タッチメン
タッチメン
今はどこへ旅行したいですか。
アリスさん
アリスさん
東京へ行きたいです。
タッチメン
タッチメン
そうですか。東京はいいところですよ。
タッチメン
タッチメン
私は昔東京へ1度行きました。
タッチメン
タッチメン
これを「たことがあります」を使って言うことができます。
タッチメン
タッチメン
私は東京へ行ったことがあります

 

・導入例②【私はパトカーに乗ったことがあります。】

タッチメン
タッチメン
アリスさん、これは何ですか。
アリスさん
アリスさん
パトカーです。
タッチメン
タッチメン
パトカーには誰が乗りますか。
アリスさん
アリスさん
警察官です。
タッチメン
タッチメン
警察官だけですか。
アリスさん
アリスさん
あと悪い人です。
タッチメン
タッチメン
そうですね。でも私は子どものときパトカーに乗りました。
タッチメン
タッチメン
私はパトカーに乗ったことがあります。
アリスさん
アリスさん
えー。悪いことをしましたか。
タッチメン
タッチメン
いいえ、迷子になりましたから、警察官が家まで送ってくれました。
アリスさん
アリスさん
  日本の警察は優しいですね。
タッチメン
タッチメン
パトカーに乗ることができて、とても嬉しかったです。

 

・説明

タッチメン
タッチメン
昔しましたを「Vタ形+ことがある」を使って言うことができます。
アリスさん
アリスさん
先生、「去年日本へ行ったことがあります。」はいいですか。
タッチメン
タッチメン
それはダメですね。「たことがある」は昔にしたことなので、今よりもずっとずっと前のことを言いましょう。
アリスさん
アリスさん
わかりました。
タッチメン
タッチメン
「たことがある」はみんながすることやいつもすることには使えません。
アリスさん
アリスさん
どんな文がダメですか。
タッチメン
タッチメン
×私は子どものとき学校へ行ったことがある。

学校はみんなが行くのでダメです。

タッチメン
タッチメン
 ×私は昔毎日散歩したことがある。

昔のことですが、毎日したのでダメです。

アリスさん
アリスさん
わかりました。

 

解説(日本語教師向け)

ここからは日本語教育者向けの解説をしていきます。

 

意味

過去の経験を言う

接続

Vタ形+ことがある

前件/後件のルール

・ルールA 近い過去には使えない

「たことがある」は過去の経験を言うときに使う文法です。しかし過去のことでも近い過去の経験には使えません。

私は先週アメリカへ行ったことがある。

私は先週アメリカへ行きました。

では近い過去はどのぐらいの期間かという疑問が出てきます。これは個人的な感覚によって変わる部分ですが、私はだいたい3~5年程度は近い過去として考えています。

 

・ルールB 何回も経験したことには使えない

「たことがある」は過去の経験に使いますが、その中でも経験したことが少ないことにしか使えません。

私は子どもの頃よくカエルを食べたことがあります。

私は子どもの頃よくカエルを食べました。

私は子どもの頃カエルを食べたことがあります。

何回もしたことを意味する頻度を表す語彙とはいっしょに使えない。

例:いつも・よく・何度も・時々・たまに・毎日・毎週・毎月・・・

 

・ルールC 明確な時間を表す言葉と一緒に使わない

遠い過去の経験を言うときでも使えない場合があります。その経験をいつしたか明確な時に、その時間を表す言葉とは一緒に使えないので注意しましょう。

10年前の3月8日に東京タワーに行ったことがある。

→3月8日という明確な日にちがわかっているので使えません。

10年ぐらい前に東京タワーへ行ったことがある。

→10年ぐらい前という大体の期間なので使うことができます。

10年前の3月8日に東京タワーに行きました。

→明確な日にちがわかっているときは、経験ではなく事実として言いましょう。

 

ポイント

・導入

①学習者の経験したことがなさそうなことから考える

「たことがある」は数少ない過去の経験を言うときに使う文法です。そのため学習者があまり経験していないと予想できることを使って導入しましょう。よくあるのが、日本人には珍しいことでも、学習者の国ではよくあることを例文に使ってしまうという失敗です。学習者の出身国の文化や普段していることなどを事前に確認しておきましょう。

 

・形容詞と名詞を接続することができる

初級レベルでは「Vタ形+ことがある」しか勉強しませんが、「形容詞や名詞+ことがある」という使い方もあります。

名詞+だった+ことがある : 若いころコンビニの店長だったことがある。

ナ形容詞+だった+ことがある : 締め切りが過ぎても大丈夫だったことがあります。

イ形容詞かった+ことがある : たまたま入ったお店がおいしかったことがあります。

日本語教育でよく使われているテキストでは、あまり触れていない表現です。しかし日本人との会話ではたまに聞く表現ですので、学習者が中級以上であれば説明してもいいかもしれません。

 

・時を表す言葉は「期間」がある表現を使いましょう

過去の経験ということで、時間を表す言葉と一緒に使うことが多い文型です。しかし、基本的には「ある程度の期間」を表す言葉を使うようにしましょう。

例:子どものころ、学生時代、独身だった時、高校生の時・・・

 

学習者によくある間違い

・過去のことなので、「たことがありました」にしてしまう

「たことがある」は過去の経験ですが、「ことがある」と現在形になっています。しかし、学習者の中には過去のことなので、「ことがありました」という形にしてしまう間違いが見られます。時制の間違いは学習者によくみられることなので、その都度訂正してあげましょう。

 

まとめ

たことがある まとめ

・使い方 過去の経験を言う

・遠い過去の経験に使う

・数少ない経験に使う

・みんなが経験していない珍しい経験に使う

 

以上「たことがある」の解説でした。

「たことがある」は一見簡単に理解できそうな文型ですが、学習者から質問が多い文型です。またあいまいな部分(近い過去はいつまで、珍しい経験は何回までなど)があるので、しっかりと準備をしていないと説明に困ることがあります。あいまいな部分は最終的に発話者の感覚で決まります。そのため自分の中で明確な基準を作って説明をすることで、学習者も理解しやすく、そして同じ感覚を持ってくれますので、堂々とした態度で導入解説をしましょう。

ここに書いてあること以外の疑問や質問はコメントをお願いします。最後までご覧いただきありがとうございました。

 

ABOUT ME
タッチメン
日本語学校の専任講師として7年以上勤務をしていて、経験した留学生の疑問や先生の悩みを解決していきます。

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