みなさんおはようございます。
この記事では日本語専任講師歴7年以上の経験から、N4文型「~ほうがいい」の使い方、導入例文、前件後件のルール、よくある間違いなど詳しく解説していきます。日本語学習者にはわかりやすく、日本語教育者には指導の参考になる記事を提供できるよう頑張りますので、是非最後までご覧ください。
今日の文型 「~ほうがいい」
導入
使い方 すべての○○
・導入例①【クリスマスパーティーは誰でも参加できます。】


・導入例②【質問があるときはいつでもLINEしてください。】


・説明
解説(日本語教師向け)
ここからは日本語教育者向けの解説をしていきます。
意味
すべての○○
接続
疑問詞+でも
前件/後件のルール
・ルールA 後件は基本的に否定文を使えない
上記の導入でも説明していますが、「疑問詞+でも」の後件は基本的に否定文を使うことができません。後件には肯定文や疑問文を使いましょう。
パーティーは誰でも参加できません。
パーティーは誰でも参加できます。
パーティーは誰でも参加できますか。
後件は基本的に否定文は使えませんが、部分的な否定文は使うことができます。
パーティーは誰でも参加できるわけではありません。
パーティーは誰でも参加できるとは限らない。
初級文型ではないので、中級者以上からは質問があるかもしれません。
ポイント
・導入
①「誰でも」「いつでも」「どこでも」を使うと導入しやすい
「疑問詞+でも」の導入のポイントは「すべての〇〇」を説明しやすいか、学習者がわかりやすいかです。そのポイントから考えると「だれでも」、「いつでも」、「どこでも」を使うのがおすすめです。この3つはまず学習者の定着率の高い疑問詞です。そして「すべて」を説明するための語彙が多いので、「すべて」という語彙を知らなくても説明ができます。また、場面設定も作りやすく、日常でよくある会話を使って導入することができます。以上の点からこの3つの使い方で導入するのがおすすめです。
②疑問詞の復習をする
導入解説の時に、今まで勉強した疑問詞を復習しましょう。学習者にいろんな疑問詞を言ってもらうことで、定着できているかの確認ができます。時間に余裕があれば、楽しくゲーム感覚で復習するのもおすすめです。
・「疑問詞+名詞+でも」という使い方がある
「疑問詞+でも」には、間に名詞を入れる「疑問詞+名詞+でも」という使い方があります。意味は「疑問詞+でも」と同じです。学習者がしっかりと理解できているのであれば、導入しておいてもいいと思います。
・このカードは、全国どこの駅でも使うことができます。
・このお店はどの定食でも無料で大盛りにできます。
・お金はいつの時代でも大切です。
学習者によくある間違い
・「疑問詞+も」との間違い
「疑問詞+でも」の類似文型に「疑問詞+も」があります。学習者にはよくこの2文型の間違いが見られます。この2文型は違いがとてもわかりにくい部分があります。詳しく説明すると、学習者の混乱を招く原因になります。まずは簡単に「疑問詞+でも+肯定文」、「疑問詞+も+否定文」と説明するといいでしょう。
・コロナが終わったら、どこでも旅行に行けるようになるだろう。
・コロナの影響で、どこも旅行に行けない。
まとめ
・意味 すべての〇〇
・後件は基本的に肯定文
・合わせて疑問詞の復習をしよう
・「疑問詞+も」との違いを理解しておく
以上「疑問詞+でも」の解説でした。
「疑問詞+でも」は教材によっては、語彙として掲載されていることもあります。文法でも語彙でも簡単だからといって、あまり準備をせずに説明すると、学習者が間違った使い方をしてしまう恐れがあります。特に「疑問詞+も」との比較は、しっかり理解をしながら、学習者に必要な解説は何かを判断して、解説しすぎないことが重要です。導入の時間をしっかりとることの少ない、あまり重要視されていない文型ですが、日常会話では、使用頻度の高い文型ですので、学習者が使えるように工夫した解説を心がけましょう。
ここに書いてあること以外の疑問や質問はコメントをお願いします。最後までご覧いただきありがとうございました。










