みなさんおはようございます。
この記事では日本語専任講師歴7年以上の経験から、N4文型「~やすい」の使い方、導入例文、前件後件のルール、よくある間違いなど詳しく解説していきます。日本語学習者にはわかりやすく、日本語教育者には指導の参考になる記事を提供できるよう頑張りますので、是非最後までご覧ください。
目次
今日の文型 「やすい」
導入①
導入例①【この本は留学生でも読みやすいのでおすすめです。】
導入例②【おはしとフォーク、どちらが使いやすいですか。】
= おはしとフォーク、どちらが使いやすいですか。
説明
導入②
導入例①【接客のアルバイトをすると、会話が上手になりやすいです。】
=「上手になりやすい」です。
導入例②【支払いを忘れやすい人はクレジットカードがおすすめです。】
困りました。
説明
注意
解説(日本語教師向け)
ここからは日本語教育者向けの解説をしていきます。
意味
意志動詞:~するのが簡単だ
無意志動詞:簡単に~になる、~になる可能性が高い
接続
動詞ます形+やすい
前件/後件のルール
・ルールA 後件基本的には4パターン
「やすい」は後件に来る形がある程度決まっています。基本的には以下の4パターンです。この4パターンを覚えておけば、簡単に使うことができるので覚えておきましょう。
①「~やすいです」
この町はとても住みやすいです。
②「~やすい+名詞」
ここはとても住みやすい町です。
③「やすく+なる」
この最新のシューズをはけば、もっと走りやすくなるよ。
④「やすく+する」
フリガナを使って、外国人にも読みやすくしました。
ポイント
①”意志動詞”と”無意志動詞”で意味が違う
「やすい」の大きなポイントは、接続する動詞の種類によって意味が変わることです。接続する動詞が”意志動詞”なのか、”無意志動詞”なのかで意味が少し変わります。微妙なニュアンスの違いがあるので、どちらの使い方も覚えておきましょう。
意志動詞:あることをするのが簡単だと伝える
無意志動詞:簡単にある状態になる、その状態になる可能性が高い
②「Vます形+やすい」はイ形容詞
「Vます形+やすい」の品詞はイ形容詞と同じ扱いになります。変化もイ形容詞と同じ変化をするので覚えておきましょう。
| 丁寧形 | 普通形 | |
| 現在肯定形 | やすいです | やすい | 
| 現在否定形 | やすくないです | やすくない | 
| 過去肯定形 | やすかったです | やすかった | 
| 過去否定形 | やすくなかったです | やすくなかった | 
③無意志動詞は類似文型の「がち」に置き替えられることがある(N3文型)
「無意志動詞+やすい」には「がち」という類似文型があります。「がち」はN3文型なので、「やすい」を勉強するときには、知らない学習者のほうが多いと思います。しかし、教師側は頭に入れておくことをおすすめします。ここでは簡単な違いを紹介しておきます。
やすい:この文法は間違えやすいので注意してください。
=+のことにも-のことにも使える
がち:この文法は間違えがちなので注意してください。
=-のことにしか使わない
④反対の意味の文型は「~にくい」
「やすい」と同じ使い方で反対の意味の”~するのが難しい”と伝える「~にくい」という文型があります。基本的には一緒に導入するので、覚えておきましょう。
にくい:この漢字は書く数が多くて書きにくいです。
学習者によくある間違い
・「日本語は勉強しやすい」という非文が出る
「やすい」の文作練習をするときや、学習者の会話の中でよく間違った使い方に出会います。それは日本語は簡単だという意味で「日本語は勉強しやすい」という文を作ることです。「やすい」は接続する動詞の行為をすることが簡単だという意味で使うので、”勉強するのが簡単”という使い方はできますが、”日本語は簡単”という意味では使えません。この違いが理解できていない学習者がいるので、説明できるようにしておきましょう。
勉強するのが簡単
→中国人にとって、同じ漢字を使う日本語は勉強しやすい言語だ。
日本語が簡単
→日本語は勉強しやすいですね。
まとめ
・意志動詞と無意志動詞で意味が異なる
・意志動詞は「~するのが簡単」
・無意志動詞は「簡単に~になる」
・変化はい形容詞と同じ
・「日本語は勉強しやすい」という非文が出てくる
以上「やすい」の解説でした。ここに書いてあること以外の疑問や質問はコメントをお願いします。最後までご覧いただきありがとうございました。











