わかりやすい日本語教育
エッセイ

日本語教育エッセイ 日本語学校で働いている人(教務課)

こんにちは。日本語教師のタッチメンです。

日本語学校の専任教師として7年以上働いています。勤務先は県内でも有数の在籍者数を誇る日本語学校です。今まで延べ1000人以上の学習者に日本語を教えてきました。その間約100人の日本語教師のみなさんと一緒に働いてきました。

そんな日本語学校で経験したことをみなさんにお伝えしたいと思います。特に日本語教師を目指している人、日本語教育に興味がある人、新人の日本語教師のみなさんに日本語教育業界の現状を知ってもらいたいと思っています。

日本語業界のポジティブな部分はもちろん、ネガティブな部分を包み隠さず紹介していきます。一人でも多くの方に日本語教育業界に入りたいと思ってもらえるよう、頑張っていきますので、よろしくお願いします。

 

今回は【日本語学校で働いている人】というテーマで話していきます。

 

日本語学校で働いている人といえば日本語教師だと思う人がほとんどでしょう。しかし、日本語学校には規模にもよりますが、多くの部署が存在します。部署の中にも役割があり、いろんな人が働いています。

日本語学校はまだまだメジャーな業界ではありません。日本語学校ではどんな人が働いているか、どんな仕事をしているか、謎な部分も多いと思います。そこで今回は日本語学校ではどんな部署があって、どんな人が働いているのか、どんな仕事をしているのかを紹介します。

 

日本語学校にある部署

日本語学校には大きく分けて4つの部署があります。

・授業に関すること全般を管理する「教務課」

・学生の生活に関するすべてのサポートをする「学生課」

・学生募集と卒業後の進路開拓を担当する「営業課」

・学校の環境を整えて管理する「総務課」

4つの部署の中で日本語教師が所属しているのは「教務課」だけです。他の部署には日本語教師ではないけれども、外国人と関われる仕事をしたい人が集まっています。

学校によっては1人の職員が部署を兼任していたり、部署そのものがまとめられてたりすることもあります。

基本的には部署ごとに役割がありますが、業務によってはいくつかの部署が合同で行う業務もあります。4つの部署がそれぞれどんな仕事をしているか、そしてどんな人が働いているかを分けて紹介します。

 

 

教務課

今回は「教務課」を紹介します。

「教務課」は学生に日本語を教えるという日本語学校のメイン業務を担当しています。主に働いているのは日本語教師の資格を持っている人です。

業務の中には授業に係る「カリキュラム作成」「テストや宿題の作成」や、クラス運営に係る「学生のクラス分け」「教員のクラス配置」、そして学生の進路に関する「進路相談」「出願・面接指導」などがあります。詳細に書くとまだまだ書ききれないぐらいあります。

そんな「教務課」は、フルタイムで働いている常勤講師と授業がある日だけ出勤する非常勤講師にわかれます。また常勤講師には役割別に役職が与えられています。働き方や役職によって業務内容も異なります。どんな役職がありどんな業務があるか紹介します。

 

 

主任教員

「教務課」のトップの役職が主任教員です。

日本語学校を設立するには必ず1名の主任教員が必要です。

そして、主任教員になるには

□告示校として認められている日本語教育機関で常勤として3年以上の経験がある

という条件があります。

3年以上の経験と聞けば、誰でも該当しそうなイメージがあるかもしれません。しかし、常勤で3年以上となると意外と該当者が少なくなります。そのため、主任教員や主任教員候補の求人募集は求人サイトで常に掲載されています。

 

主任教員の業務は主に3つです。

①通常の教員業務

②教務課全体の管理

③学校運営の参加

 

主任教員は教員と同じく授業をしながら、教務課全体の管理をしなければなりません。さらには教務課の代表として学校運営に参加します。そのため他の先生たちを指導できるだけの日本語教育の知識とそのアップデート。さらには学生から信頼を得るための授業の上手さ。そして学校全体の経営について意見が言えるように、経済や社会情勢の勉強。その全てができる人材でなければなりません。

なかなかすべての経験や知識、スキルがある人が少ないので、どこの日本語学校でも貴重な存在となっています。

 

 

レベル責任者

日本語学校では学生のレベルに合わせてクラスを作っています。「レベル責任者」はそのレベル全体の管理を担当している専任教員です。

レベルの分け方には上級・中級・初級やA・B・Cなどいろいろな方法があります。「レベル責任者」はその1つのもしくは2つのレベルを担当し、カリキュラム作成や学生のクラス分け、先生の配置決定など、レベル内の全てを任されます。責任あるポジションですが、日本語教師としての面白さや成長を最も感じられます。

一般的にはある程度の経験や信頼のある専任教員が担当することになります。日本語学校で働く日本語教師が最初に目指すことになる役職です。

 

 

専任教員

主任教員とレベル責任者以外の専任教員です。新任教員や経験の浅い人がほとんどです。

専任教員は週に3回以上授業を担当します。残りの時間は担任業務やレベル責任者のフォロー業務を行います。

まずは授業で評価されるように努力することが必要です。そして責任者のフォローをしながら経験を積んでいきます。徐々にできる業務が増えていくと、レベル責任者へのステップアップができます。

 

非常勤講師

授業担当日だけ出勤をするのが非常勤講師です。非常勤なので勤務時間の縛りはありません。そのため授業が終わり後処理をしたらすぐに退勤できます。学校にもよりますが、学期の区切りである半年もしくは3か月ごとに、授業を担当できる曜日と授業をしたい日数を学校側へ伝えます。それを基に授業日数やクラスを日本語学校で決定します。

非常勤講師は基本的に授業だけを担当します。レベル責任者が作成したカリキュラムに沿って、担当曜日に授業を行います。テストや宿題作成はありませんが、授業で行ったものの採点や添削業務は業務に含まれています。

時間や曜日の調整がしやすいですが、授業日数を減らされるリスクがあります。授業だけをしたい人や日本語教師の経験を積みたい人、パートタイムで働きたい人は非常勤講師がおすすめです。

 

担任

担任は1クラスに1人配置されます。担任はレベル責任者、専任教員、非常勤と役職問わず希望すれば担当することができます。

担任の主な業務はクラスの学生管理です。出欠管理や進路指導など学生の学校生活の様子を把握するのが大事です。時には学生面談を行い、厳しい指導が必要なこともあります。

担任はクラスの学生と最も距離の近い先生です。そのため学生から1番頼られることになります。学生との信頼関係が築けるかどうかが、担任としての評価に直結します。

 

 

ABOUT ME
タッチメン
日本語学校の専任講師として7年以上勤務をしていて、経験した留学生の疑問や先生の悩みを解決していきます。

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