みなさんおはようございます。
この記事ではN1~N5までの文型の意味、使い方、前件後件のルール、よくある間違い、類似文型との比較などなど詳しく解説していきます。日本語学習者にはわかりやすく、日本語教育者には指導の参考になる記事を提供できるよう頑張りますので、是非最後までご覧ください。
今日の文型 「~ようになる」
導入
使い方① 能力の変化
・導入例①【日本語でマンガが読めるようになりました。】
・導入例②【スマホで映画が見られるようになりました。】
・説明
使い方② 習慣の変化
・導入例①【毎日朝ご飯を食べるようになりました。】
・導入例②【1週間に1回母に電話するようになりました。】
・説明
解説(日本語教師向け)
ここからは日本語教育者向けの解説をしていきます。
意味
①能力の変化
②習慣の変化
接続
①V可能形+ようになる
②V辞書形+ようになる
前件/後件のルール
・ルールA ①の使い方は接続がすべて無意志動詞
①の使い方の接続は基本的に「可能形+ようになる」です。それに加えて可能形以外の無意志動詞も①の使い方になります。
関西弁を勉強したので、少しわかるようになりました。
「わかる」は無意志動詞です。この文は「辞書形+ようになる」ですが、①能力の変化の文になります。「無意志動詞の辞書形+ようになる」は②習慣の変化ではなく、①能力の変化になるので注意しましょう。
・ルールB 基本的には「ようになりました」を使う
意味①②ともに基本的には「ようになります」ではなく「ようになりました」で使うことが多いです。「ようになります」を使う場面は、他人へ問いかけるときや何かを説明するときです。
問い掛け文 例
毎日練習すれば、1週間で泳げるようになりますか。(能力)
子どもがなかなか寝てくれません。どうすれば、毎日9時に寝るようになりますか。(習慣)
説明文 例
この機械を使えば、簡単に料理が作れるようになります。(能力)
子どもは毎日一緒に勉強すれば、自然と勉強するようになります。(習慣)
「ようになります」は場面が限られてしまうので、学習者に導入する際は基本的に「ようになりました」だけでいいと思います。
・ルールC 「ようになります」はよい変化に使う
「ようになります」はすべていい方向への変化に使います。そのため悪い方向への変化には使いません。
スポーツカーを買ったので、いつでもスピード違反ができるようになりました。
注意点
・導入
➊ ①能力の変化か②習慣の変化かはっきり違いのわかる例文を使いましょう
「ようになります」は①②どちらの意味でも変化を説明するときに使う文法です。変化についてはすぐに理解できる学習者が多いですが、能力の変化だけを覚えてしまって、習慣の変化があることを忘れてしまう方を見かけます。
しっかりと2つの意味を覚えるためには、例文ではっきりとした違いがわかるような工夫が必要です。
また。導入説明の際に、能力の変化は頑張ったから変化したことだと強調してください。そのため、練習したや勉強したなどの努力がわかる言葉や、時間や回数など数字を使うことで強調することができます。
習慣の変化の導入説明はいつもしていることが変化したということを強調しましょう。そのため環境が変わったことがわかる言葉を使って説明しましょう。
❷ 変化の説明は「形容詞+になりました」を使って導入ができる
初級文型で「形容詞+になりました」を勉強している学習者には、それを使うとシンプルに変化の説明ができます。
元気じゃありません → 元気になりました
1年前は話せません → 今は話せるようになりました
このように、「形容詞+になりました」と並べて説明することで、「できない→できる」を簡単に説明できます。
・否定の形は「なくなりました」
「ようになります」は否定の文になると「なくなりました」に変わります。そのため初級教材では触れていないこともあります。学習者のレベルに合わせて導入しましょう。
日本に来て3年経ったので、日本語が話せるようになりました。
日本から国に帰ってきて10年経ったので、日本語が話せなくなりました。
学習者によくある間違い
・変化の意味を持つ動詞を使う
例
アルバイトをして、お金が増えるようになりました。
「増える」は少ないから多いに変化する意味を持つ動詞です。そのため「ようになります」と一緒に使うと不自然な文になります。
アルバイトをして、お金が増えました。
変化の意味のある動詞
増える、減る、太る、痩せる、伸びる、縮む、壊れる、冷える、濡れる…
まとめ
・意味は2つ ①能力の変化 ②習慣の変化
・基本的には「ようになりました」を使う
・無意志動詞はすべて”①能力の変化”になる
・否定の形は「なくなりました」
・変化の意味を持つ動詞に注意
以上「ようになります」の解説でした。
「ようになります」は難しい文法ではありません。しかし今後「ように」を使った類似文型が多く出てきます。私はよく「ようにシリーズ」と呼んでいますが、レベルが上がるにつれて、一つ一つの文型を理解していないと困ることになります。まずは1番簡単な「ようになります」を確実に理解し使えるように、学習者がわかりやすい導入説明を心がけましょう。
ここに書いてあること以外の疑問や質問はコメントをお願いします。最後までご覧いただきありがとうございました。










