わかりやすい日本語教育
エッセイ

日本語教育エッセイ 盛り上がったスピーチテーマ

こんにちは。日本語教師のタッチメンです。

日本語学校の専任教師として7年以上働いています。勤務先は県内でも有数の在籍者数を誇る日本語学校です。今まで延べ1000人以上の学習者に日本語を教えてきました。その間約100人の日本語教師のみなさんと一緒に働いてきました。

そんな日本語学校で経験したことをみなさんにお伝えしたいと思います。特に日本語教師を目指している人、日本語教育に興味がある人、新人の日本語教師のみなさんに日本語教育業界の現状を知ってもらいたいと思っています。

日本語業界のポジティブな部分はもちろん、ネガティブな部分を包み隠さず紹介していきます。一人でも多くの方に日本語教育業界に入りたいと思ってもらえるよう、頑張っていきますので、よろしくお願いします。

 

今回は【盛り上がったスピーチテーマ】というテーマで話していきます。

 

日本語学校の会話授業の中で代表的な方法の1つがスピーチです。

スピーチ授業は事前にある程度準備が必要なので、1学期に1回もしくは2回ぐらいしか実施できません。その分1つのイベントのような雰囲気で実施できます。

基本的にクラス全員に発表の機会を与えるので、普段大人しい寡黙な学生にも注目が集まる機会になります。スピーチテーマによっては、学生の意外な一面を知ることができるので、先生達にも人気の授業です。

またスピーチ授業は初級から上級までどの日本語レベルでも実施できる万能な授業です。クラス内で発表する場合、クラスの日本語レベルに合わせた、文型や語彙を使って話すことがとても重要です。今まで勉強した日本語を実際に使うことができるようになるので、実践的な練習としても有用です。

そんなスピーチ授業ですが、スピーチテーマの選定はとても重要です。盛り上がる授業にするには、いろいろ工夫が必要です。テーマが簡単すぎるとみんな同じ内容になったり、聞いている学生が飽きたりしてしまいます。反対にテーマが難しすぎると聞いている学生が理解できないという問題が発生してしまいます。日本語レベルに合わせた上で、いろいろな意見が出てくるスピーチテーマを探さなければなりません。

今日は過去に授業で取り上げて盛り上がったスピーチテーマを紹介します。

是非最後までご覧ください。

 

 

スピーチのやり方

まずは私が行っていたスピーチ授業のやり方やルールを紹介します。

 

・スピーチテーマの告知 1週間前

学生にはカリキュラムを1ヶ月分渡していたので、スピーチを実施することは1か月前には伝えていました。

しかしスピーチテーマは1週間前の授業の時に全て発表することにしていました。

1週間をスピーチ準備期間として学生に宿題として考える時間を作っていました。

 

・スピーチ発表時間 最低3分 最長5分

スピーチ発表時間は1人3~5分に設定しています。

3分以下だと内容が薄くなってしまい、その場で適当に話すだけで終わってしまいます。

反対に5分以上だと内容がまとまらず、言いたいことが伝わりません。話をまとめる練習として5分以内に設定しています。

 

・テーマを1つ選ぶ

スピーチテーマは必ず5つ準備するようにしていました。

学生は5つのテーマの中から1つ選んで発表することになります。

テーマを複数用意しているのは、テーマを1つにするとスピーチ内容を考えられない学生が出てくることと、聞いている学生が飽きてしまうことが理由です。

最低でも3つぐらいスピーチテーマを準備する方がいいでしょう。

 

・スピーチ発表後質問をする 先生から1つ、学生から2つ

スピーチ発表後には必ず質疑応答の時間を設定します。

学生から質問するのはなかなか難しいので、まずは先生が1つ質問をして、それから学生に質問を考えてもらいます。

質問をすることで、聞いている学生も発表に集中しなければいけないので、よりスピーチ授業が盛り上がります。

 

 

 

スピーチテーマ① もしもシリーズ

 

①もし1日透明人間になれるなら何をしますか。

②もし1度タイムマシーンが使えたら、いつに行って何をしますか。

③もしあなたの恋人と母が川で溺れていたら、あなたはどちらを先に助けますか。

④もし無人島で1週間生活することになったら何を持っていきますか。(3つ)

⑤もし動物の能力を1つもらえるなら、どんな動物の能力が欲しいですか。

 

最初に紹介するのが「もしも~だったら」というスピーチテーマです。皆さんも一度は考えたことがあるようなものがテーマになっています。

このもしもシリーズは日本だけでなく、いろんな国で共通のトークテーマのようです。そのため学生もあまり気負わずにスピーチができる簡単なテーマになります。

簡単なテーマですが、スピーチ内容に個性が出るので、割と盛り上がりやすいテーマだと思います。

もしもシリーズではスピーチ発表後の質問タイムのほうが盛り上がる傾向にあります。先生の質問力によって左右されるので、いろいろな質問を想定しておきましょう。

このもしもシリーズは初級レベルでも割と取り組みやすいテーマです。上級ではもう少し難易度を上げてもいいかもしれません。

 

 

スピーチテーマ② 二項対立

 

①自分の死ぬ月日を決める/自分の死に方を決める

②大ファンの有名人と一生親友になる/1年だけ恋人になる

③最も頭のいい人になる/最もルックスのいい人になる

④全ての同性から嫌われる/全ての異性から嫌われる

⑤米がない人生/パンがない人生

⑥40度以上でクーラー、扇風機がない生活/-10度以下でストーブ、暖房がない生活

 

次に紹介するのは二項対立です。

二項対立のスピーチでは1つのテーマがありそれに2つの意見があります。その2つの意見のどちらかを選んで自分の考えを話します。

二項対立のテーマでも現実では起こらない想像のテーマを取り入れていました。テレビの企画やマンガ、アニメで聞いたことあるような内容ですが、真剣に考えてみるとおもしろいです。

二項対立のスピーチをするときには、学生に必ずどちらか1つの意見を選ぶように伝えます。そしてその意見を選んだ理由やメリットなどを考えるようにします。あとは学生が自由に自分の考えを言ってもらいましょう。

質問をするときは想像上の話なので、選んだ理由が理論的でなくてもツッコんで質問しないようにしていました。

そのテーマを選んだ理由や、どちらの意見に賛成するかから学生の内面が見られるのでとてもおもしろいです。

上級クラスになれば、スピーチを聞いてその意見に賛同するかどうかアンケートを取ってみるのもおもしろいです。

 

まとめ

以上、盛り上がったスピーチテーマでした。

今日紹介したテーマの中には時間が余ったときの会話テーマに使えるものもあります。またオンライン授業での会話テーマとしてもおもしろいかもしれません。気軽に話せるテーマが多いので、一度授業で使ってみてください。新しい発見があるかもしれません。

今後も授業で実際にやってみてよかったことを紹介していきます。ではまた次回の記事を楽しみにしていてください。

 

ABOUT ME
タッチメン
日本語学校の専任講師として7年以上勤務をしていて、経験した留学生の疑問や先生の悩みを解決していきます。

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